【セミナーレポート】GA4も広告データも「会話」で分析|SQL不要のAIデータ分析を実演で解説|ウェブ部

【セミナーレポート】GA4も広告データも「会話」で分析|SQL不要のAIデータ分析を実演で解説

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本記事は、2026年3月4日に開催したセミナー「GA4や広告データを『会話』で分析:対話型統合データエージェント『AI-コンパス』紹介セミナー」の内容を記事にまとめたものです。


 

ChatGPTをはじめとする生成AIが急速に浸透し、データ活用のハードルは下がりつつあります。多くの企業がBigQueryなどにデータを蓄積している一方で、現場では次のようなお悩みをよく耳にします。

  • BigQueryにデータは溜まっているのに、SQLが書けず自分では分析できない
  • 見たい数字があるたびにエンジニアへ依頼し、報告に間に合わない

本セミナーでは、生成AIとBigQueryを直結させ、SQLを一切書かずに自然言語(会話)だけで全社データを分析できる環境構築支援サービス『AI-コンパス』を、実際の画面デモを交えてご紹介しました。本記事ではその内容をレポートします。

 

本記事で分かること
・SQLやPythonを使わず、自然言語だけでBigQuery上のデータを分析する仕組み
・現場のデータ抽出・集計の手間をゼロに近づけ、戦略立案に集中するためのAI活用法
・分析AIの2大選択肢「Claude」と「Gemini」の違いと選び方

登壇者紹介

松尾一平

株式会社メディックス マーケティングデザインユニット データエンジニア 松尾 一平

Google Analyticsの設計・導入歴 10年以上。GA4のローデータをBigQueryで集計し、BIツールを活用したダッシュボード構築を得意としている。近年はデータエンジニアとしてAI活用にも注力している。

なぜ今、「会話でデータ分析」なのか

ChatGPTの登場以降、生成AIは急速に身近になり、「データさえあればAIが魔法のように答えを出してくれる」というイメージが広がっています。一方で、多くの企業がデータの蓄積先としてBigQuery(Googleが提供している、データを貯める箱=データウェアハウス)を採用していますが、ここに大きな壁がありました。

BigQueryはこれまで、SQLが使えないと扱うのが難しく、どうしてもエンジニア向きのツールでした。つまり、データは溜まっているのに、それを引き出せるのは一部のエンジニアだけです。マーケターは見たい数字があるたびにエンジニアへ依頼し、エンジニアは突発的な抽出依頼に追われていました。この依頼と手戻りのラリーが、組織の意思決定を遅らせる要因になっていました。

ここに変化をもたらすのが、生成AIとBigQueryを直結させるという仕組みです。

対話型統合データエージェント『AI-コンパス』とは

AI-コンパスは、生成AI(Gemini/Claude)と貴社のGoogle BigQueryを直結させる環境構築支援サービスです。BigQueryに置いたデータに対してAIをつなぎ込み、チャット形式・自然言語で分析できるようにします。

GA4×基幹データ×広告コストといった複数のデータソースを横断した高度な分析を、SQL不要・自然言語のみで実行できるのが最大の特長です。

3つの特長

  特長 内容
1 SQLレスでデータ民主化 PythonもSQLも不要。使い慣れたチャット画面(自然言語)だけで、非エンジニアがBigQueryの全データを自在に分析できます。
2 抽出対応工数の削減 定型レポート作成や「ちょっとこの数字出して」という突発依頼をAIが代行。エンジニアのリソースを本来の開発業務へ解放します。
3 社内用語が通じる専用AI 「粗利」「LTV」など企業独自の定義をAIに学習させることで、定義ズレやハルシネーションを防ぎ、実務で使える正確な数値を返します。

特に3つ目は重要です。AIは一般的な用語は理解できても、社内独自の用語や集計ルールはそのままでは正しく解釈できません。AI-コンパスでは、こうした前提条件をAIに理解させたうえで分析を行う環境を構築します。

【実演】2つのAIで、GA4データを「会話」だけで分析

セミナーでは、AI-コンパスで利用できる2つの生成AI、Claude(Claude for Desktop)Gemini(BigQuery内蔵の会話型分析)を、実際の画面で実演しました。

実演①:Claude Desktop

Claude Desktop(Claudeの公式サイトから無料でダウンロードできるアプリ)からBigQueryへ接続した状態で、次のように指示します。

BigQueryに置いてあるGA4のデータテーブルから、直近30日のページビュー・セッション・ユニークユーザー数・購入数・収益を抽出してグラフ化してください

すると、AIがBigQueryのデータを読み取り、グラフを描画します。続けて、次のように指示します。

セッションのメディアごとの収益データを追加し、考察も加えてください

と続けると、Google 自然検索/Yahoo自然検索/メールマガジンなど流入元別のデータが追加され、考察まで添えられたダッシュボードが生成されました。

Claude DesktopはJavaScriptをその場で動かせるため、単なるグラフにとどまらない作り込まれたダッシュボードを生成できる点が強みです。グラフ描画やアウトプットのクオリティ面では現時点でGeminiよりClaudeがやや優れており、戦略を考える際の壁打ち相手としても活用できます。

実演②:Gemini(BigQuery内蔵の会話型分析)

続いて、BigQueryに内蔵されたばかりの会話分析機能(Gemini)を実演しました。同様に「2026年1月のPV・セッション・UUを取得してグラフ化してください」と指示すると、グラフと考察が出力されます。

Geminiならではのポイントが、エージェントの事前設定です。

  • 前提情報の登録:「ページビューはこう集計してください」といった集計ルールをあらかじめAIに与えておけます。
  • 検証済みクエリの登録:期待するSQLを事前に持たせ、AIが意図しない集計をするのを防げます。

これにより、「本当はこう集計してほしいのに、AIが別のやり方を取ってしまった」という事故を防ぎ、AIをコントロールしやすくなります。

なお、いずれのAIでも、BigQueryにデータさえあれば、広告データ・Search Console・顧客データ・購入データなど、あらゆるデータにつなげられます。すべてを統合したダッシュボードや分析を、これひとつでカバーできる世界観です。

ClaudeとGemini、どう選ぶ?

実演を踏まえ、2つのAIの違いを整理します(2026年3月時点)。

観点 Claude(Claude for Desktop) Gemini(BigQuery内蔵)
賢さ・アウトプットの質 ◎ 文脈理解が深く、グラフ描画やダッシュボード生成が非常に優秀 〇 基本的な分析は十分実用的。複雑な条件はやや苦手
外部ファイル出力 ◎ Excel/HTML/CSV等への出力・保存が得意 △ 外部ファイル出力は弱い
安全性 △ データがAnthropic社のサーバーに渡る(社内ポリシーでNGの場合は利用不可) ◎ Googleプロダクト内で完結し、社内承認が下りやすい
導入・運用 △ デバイスごとにセットアップが必要 ◎ BigQuery内蔵でセットアップ不要、すぐ使える

選び方の目安

  • 分析の質・資料作成の自動化を重視し、一気通貫でAIに任せたい方 → Claude
  • Googleの堅牢な環境内で、データを外に出さず安全に使いたい方/社内ポリシーが厳しい方 → Gemini

どちらを選ぶにしても大前提は「BigQueryにデータがある」ことです。さまざまなデータをBigQueryに集約しておくことが、今後のデータ利活用ではとても重要になります。

導入で何が変わるのか(Before → After)

  Before After
マーケティング担当 週次会議に向けてCPO悪化要因を探りたいが、データがマーケだけでは出せず報告に間に合わない 毎朝数分で原因を特定。分析で得た示唆をもとに予算配分を即座に変更できる
システム・DX担当 現場からのデータ出し依頼対応で毎月数時間が消え、本来のミッションに手をつけられない 問い合わせ対応が大幅に減少。導入した基盤が「活用される基盤」として評価される

マーケターは次の打ち手に集中でき、エンジニアは時間を取り戻せます。SQL不要の分析環境が、両者の働き方を変えます。

質疑応答(抜粋)

Q. 一般的なChatGPTなどとの最大の違いは?

ChatGPT(GPTベース)でも利用は可能です。それでもClaudeをおすすめするのは、Claude Desktopというアプリが非常に便利だからです。その場で描画する機能が強く、データ活用と相性が良い点が理由です。Geminiは元々BigQueryに内蔵されているため、すぐ使えて運用が手軽な点でおすすめしています。

Q. ClaudeとGemini、どちらが推奨ですか?

機能面では現状Claudeが優れています。ただし、データがAnthropic社側に渡るため、社内ポリシー上で許可が下りにくいケースもあります。その場合は、Googleプロダクト内で完結するGeminiが使いやすい選択肢となります。

Q. BigQueryをまだ導入していませんが、利用できますか?

はい。Googleアカウントでクラウド環境を用意すれば、非常に低コストで利用できます。データを置いておくだけなら月数百円程度で、Geminiも現状は無料で利用可能です。部署単位での環境用意が難しい場合は、メディックスの環境をお貸しすることもできます。

Q. 今後もBigQueryのAI機能は発展していきますか?

おそらく発展していくと考えています。Googleの公式イベントでもAIの話題が非常に多く、各種プロダクトとAIをつなぐツールも続々と登場しているためです(※あくまで予想です)。

Q. Geminiが無料でも、BigQueryへの問い合わせコストは発生しますか?

BigQuery自体のコストは発生します。ただし、テラバイト規模のデータを使わない限り非常に安価で、例えば10GB程度であれば月数十円〜100円、または無料枠に収まる可能性が高いです。

まとめ

AI-コンパスがもたらす最大の変化は、ツールが変わることではなく、日々の仕事の進め方そのものが変わることです。

これまでは、数字を見たいと思っても自分では出せず、依頼書を書いてエンジニアに頼み、結果が出てくるのを待ち、認識のズレがあれば修正を依頼するなど、ひとつの数字にたどり着くまでに何日もかかっていました。AI-コンパスを導入すると、この流れが大きく変わります。

  • 「見たい」と思った瞬間に、その場で聞ける:会議の最中でも「先週のSNS広告経由ユーザーの行動は?」とチャットで尋ねれば、数分で答えとグラフが返ってきます。依頼・待ち時間・手戻りのラリーが不要になります。
  • 分析の起点が「依頼」から「対話」へ:仮説が浮かんだらすぐ試し、深掘りし、考察まで一気に進められます。マーケターは、数字を待つ立場から、数字で考える立場へと変わります。
  • エンジニアは作業から解放される:突発的な抽出依頼に追われる時間がなくなり、本来注力すべきデータ基盤の設計・改善に集中できます。
  • 属人化が解消される:社内用語や集計ルールをAIに学習させておくことで、「あの人に聞かないと正しい数字が出ない」状態から脱し、誰が尋ねても同じ定義で正確な数値を得られます。

つまり、データ活用が一部の専門家だけのものではなくなり、チーム全員が自分の言葉でデータと対話しながら意思決定できるようになります。これがAI-コンパスの目指す働き方です。

その第一歩は「BigQueryに、活用したいデータを集約しておくこと」。GA4・広告・基幹データを一元化しておけば、AIによる横断分析の可能性が一気に広がります。

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