ChatGPT広告は、OpenAIが提供するAIチャット「ChatGPT」の会話画面に表示される、運用型の広告メニューです。
2026年2月に米国でテストが始まり、同年6月には日本でも配信がスタートしました。
検索広告のようにキーワードへ入札する仕組みではなく、ユーザとAIの会話の文脈に応じて広告が選ばれる点が最大の特徴です。
本記事では、ChatGPT広告の仕組みや対象ユーザ、費用、出稿方法を整理しながら、効果的に活用するためのポイントまで解説します。
※2026/9/2時点の情報なので、最新情報は公式サイトもご確認ください
・ChatGPT広告のターゲティング(コンテキストヒントとは何か)
・ChatGPT広告を出稿する手順、CV計測の設定方法
目次
ChatGPT広告とは
ChatGPT広告は、ユーザがChatGPTに質問した回答の下部に、区切り線を挟んで表示される広告です。
回答本文には混ざらず、「広告(Sponsored)」というラベルとともに独立した枠として表示されるため、AIの回答と広告が視覚的にはっきり区別されるように設計されています。
広告主名、ファビコン(ロゴ)、タイトル(見出し)、コピー(説明文)、画像、ランディングページURLという要素で構成される1つの広告ユニットが、関連性の高い会話の直下に配信される仕組みです。

ChatGPT広告の対象ユーザ・提供状況
広告が表示されるのは、対象国のChatGPT FreeプランおよびGoプランを使う18歳以上のユーザです。
Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduなどの有料上位プランには表示されません。
また、18歳未満と申告された、または推定されたアカウントにも広告は表示されない設計です。
| プラン | 広告表示 |
|---|---|
| Free | 〇 |
| Go | 〇 |
| Plus/Pro/Business/Enterprise/Edu | × |
対象国は米国からスタートし、その後カナダ、オーストラリア、ニュージーランドへと拡大しました。
2026年には英国、メキシコ、ブラジル、日本、韓国でもパイロットが展開され、日本では同年6月19日から実際に広告表示が始まっています。
6月28日には、事業主がads.openai.comから広告アカウントを自ら作成し、配信まで進められるセルフサーブも解禁されました。
ChatGPT広告とほかの運用型広告との違い
リスティング広告やSNS広告と比べると、ChatGPT広告は「何を単位にユーザを捉えるか」が大きく異なります。
| リスティング広告 | ChatGPT広告 | |
|---|---|---|
| 掲載面 | 検索結果ページ | ChatGPTの回答直下 |
| ターゲティング単位 | 検索キーワード | 会話の文脈(コンテキストヒント) |
| ユーザの状態 | 能動的に検索中 | AIと対話しながら比較検討中 |
| 課金方式 | CPC | CPM/CPC |
検索広告がユーザの入力した検索キーワードに反応するのに対し、ChatGPT広告はユーザが相談している内容や状況全体を踏まえて広告が選ばれます。
そのため、広告主はキーワードではなく「どんな会話や文脈のときに、自社商品・サービスが役立つか」を文章で説明しておくことが重要になります。
ChatGPT広告の特長・メリット
ChatGPT広告には、会話形AIならではの特長・メリットがあります。
①会話の流れに沿った関連性の高い配信ができる
ChatGPT広告には、検索広告のキーワードにあたる仕組みがありません。
代わりに、広告グループごとに「コンテキストヒント」と呼ばれる文章を設定し、自社の商品やサービスが関連しそうな会話・トピック・ユーザの状況を記述します。
■コンテキストヒントとは
ChatGPT広告のコンテキストヒントとは、「どのようなユーザ状況や文脈において、自社の広告を表示すべきか」という情報をAIに伝えるための説明文で、広告グループ単位で設定できます。
【コンテキストヒントを構成する要素】
| 要素 | 詳細 |
| ペルソナ(誰が) | ユーザの立場や役割 |
| インテント(何をしたいか) | 解決したい悩みや目的 |
| 制約・状況(どのような条件で) | 予算、時間、環境など |
自社製品・サービスの特長や単語の羅列ではなく、ユーザが実際にChatGPTへ相談しそうな質問や状況を説明する形で設計するのが重要とされています。
例)BtoC:オンライン英会話スクールの場合
「数ヶ月後に初めての海外出張が決まり、急いでビジネス英語を身につける必要がある。残業が多く忙しい社会人でも、早朝や深夜のスキマ時間を活用して、ネイティブ講師と実践的なビジネス英会話の練習ができる方法やサービスを探している。」
検索広告のように「オンライン 英会話」「ビジネス英語 スクール」などのKW登録もできますが、このような文章でユーザの行動・悩みを登録していくのが良いでしょう。
②能動的に解決策を探しているユーザに届く
ChatGPTに質問を投げた時点で、ユーザは「いま何かを解決したい」状態にあります。
加えて、ユーザが自分の状況や迷いを具体的な文章で書き、比較しながら結論に近づいていくプロセスの中で、解決策としてブランドを提示できる点が検索広告とは異なる強みです。
③回答と広告が明確に分けて表示される
回答を作成するAIと広告を表示する仕組みは完全に別々で、広告が回答の内容や順位に影響しないことはOpenAI社によって明言されています。
また、広告には「広告」ラベルがつき、AIの回答とは区別された専用の枠に表示されます。
そのため、広告が表示されていても、OpenAIがその商品やサービスをおすすめ・保証しているわけではありません。
ターゲティングの種類
ChatGPT広告は、主にコンテキストヒントと地域によるターゲティングができます。
- コンテキストヒント
自社の商品・サービスが関連しそうな会話やトピック、ユーザの状況を文章で設定する - 地域ターゲティング
日本では都道府県単位での指定・除外が可能 - カスタムオーディエンス
自社の顧客リスト(メールアドレスや電話番号のハッシュ値など)をアップロードし、含める・除外する・入札を調整する、などが可能
ChatGPT広告を配信できる業種
現在、ChatGPT広告を出稿できる業種は、次のような消費者向けの分野に限定されています。
| 区分 | 業種・カテゴリ例 |
|---|---|
| 配信可能 | 家庭用品・日用品、地域サービス、旅行・娯楽、デジタル製品・教育 など |
| 配信不可 | 成人向けコンテンツ、アルコール・たばこ、娯楽用ドラッグ、ヘルスケア・医療、健康関連の訴求、金融サービス、法的サービス、ギャンブル、政治的な内容 など |
この区分は現時点のものであり、OpenAIは審査・コンプライアンス体制の整備にあわせて対象分野を順次広げるとしています。
自社の商材が対象になるかどうかは、出稿前にOpenAIの広告ポリシーで必ず確認しましょう。
広告フォーマット・入稿規定
ChatGPT広告は検索広告やディスプレイ広告のように複数のフォーマットに分かれておらず、1つの広告ユニットに次の要素が含まれます。
- 広告主名
- ファビコン(ロゴ)
- タイトル(見出し)
- コピー(説明文)
- 画像
- ランディングページURL
<入稿規定>
| 項目 | 目安・仕様 |
|---|---|
| 広告タイトル | 推奨16〜24文字、最大50文字 |
| 広告コピー | 推奨32〜48文字、最大100文字 |
| 画像形式 | PNG、またはJPG |
| 画像比率 | 正方形 |
| 画像サイズ | 1,200×1,200ピクセル以下 |
チャット画面での表示枠はコンパクトなので、画像に情報を詰め込みすぎると視認性が悪くなってしまいます。
タイトル・コピー・画像に一貫したメッセージを持たせ、シンプルに伝えることが重要です。

ChatGPT広告の費用・課金方式
ChatGPT広告は1日2,500円の最低日予算から運用を開始でき、自社の予算規模に応じた柔軟な配信が可能です。課金方式はキャンペーン目的(リーチ・クリック・CV)に応じてCPMまたはCPCが適用されます。
ここでは、具体的な予算の仕組みと目的別の課金方式について詳しく解説します。
費用
ChatGPT広告の配信費用は、1日の予算をいくらに設定するかで決まります。
現在、1キャンペーンにおける日予算の最低金額は2,500円です。そのため、理論上は(2,500×日数)円~配信することができます。
ただし、日予算は毎日きっちり固定額を使う仕組みではなく、「7日間の1日あたり平均金額」を指定する仕組みになっています。
また、広告効果の高い日などは、最大で日予算の2倍(5,000円の設定なら1日最大10,000円)まで使われることがあるので、覚えておきましょう。
課金方式
ChatGPT広告では、キャンペーンの目的に応じて課金方式が決まります。
キャンペーンの目的はキャンペーン作成時に選択し、後から変更することはできません。
| キャンペーンの目的 | 最適化対象 | 課金方式 |
|---|---|---|
| Reach | リーチと視認性 | CPM |
| Clicks | エンゲージメントとトラフィック | CPC |
| CV | 購入数 | CPC |
出稿方法(直接出稿のステップ)
ads.openai.comから直接出稿する場合、大まかな流れは次の5ステップです。
「アカウント > キャンペーン > 広告グループ > 広告」です
- アカウントを作成する
OpenAIアカウントでサインインし、ビジネス名・Webサイト・業種・国・通貨などを登録して広告アカウントを作成します。①「登録」をクリック
②ビジネス情報とアカウントの詳細を登録
※ここで入力した内容は変更ができないのでご注意ください


- キャンペーン・広告グループ・広告を作成する
キャンペーンで目的と予算、広告グループでコンテキストヒント、広告でタイトル・コピー・画像・LPを設定します。
※作成手順として出てきますが、「後で作成」でも問題ありません
- 請求プロファイルと支払い方法を登録する
請求先情報とクレジットカードを設定します。
- CV(コンバージョン)計測の設定を行う
広告経由の成果を正確に把握するため、広告管理画面からコンバージョントラッキングタグを発行し、自社サイト(GTMなど)に設置します。▼タグの設置方法(クリックすると手順が開きます)
①ツール>コンバージョン>データソースを作成

②データソース名・自動詳細マッチングを設定して作成

③ピクセルID・セットアップコードは後で確認できるので、「コンバージョンイベント作成」へ

④コンバージョンの作成画面では、以下の4項目を設定します。

・ベースイベント
Google・Yahoo広告の「購入」や「申し込み」などに相当する、コンバージョンのカテゴリーです。レポート集計時の分類として機能します。どのカテゴリーにするか迷った場合は、まずは「登録完了(Complete Registration)」などを選択しておきましょう。・名称
管理画面上に表示される任意のコンバージョン名です。ベースイベントを選択すると自動で英語表記が入力されますが、「〇〇LP_資料請求」など、後から見て一目で判別できる名称に変更することを推奨します。・データソース
前のステップで作成したデータソースを選択します。・コンバージョン期間
現時点では日数の変更ができない仕様となっているため、デフォルト設定のままで問題ありません。⑤発行した2種類のタグ(セットアップコードとコンバージョンイベントコード)をGTMに設置します。
【セットアップコードの取得、設定】
管理画面のメニューから「ツール」>「コンバージョン」と進み、「データソース」タブを開きます。
作成したデータソースの右端にある三点リーダー(︙)をクリックし、「コードを表示」を選択してセットアップコードをコピーします。

GTMを開き、「カスタムHTML」で新しいタグを作成してコピーしたコードを貼り付けます。
このタグはサイト全体で読み込ませる必要があるため、トリガーは「All Pages(すべてのページ)」に設定して保存してください。【コンバージョンイベントコードの取得、設定】
管理画面に戻り、今度は「コンバージョンイベント」タブを開きます。
作成したイベントの右端にある三点リーダー(︙)から「コードを表示」を選択し、イベント用のコードをコピーします。

GTMで新たに「カスタムHTML」のタグを作成し、コピーしたコードを貼り付けます。トリガーには、計測したいコンバージョン地点(サンクスページの閲覧や、特定のボタンクリックなど)を指定して保存します。
- 配信を開始する
審査がとおり、CVテストも問題なければ配信が可能になります。
直接出稿のほかにも、広告配信プラットフォームCriteo経由での配信が可能です。
ChatGPT広告に向いている商材
ChatGPT広告と比較的相性が良いと考えられるのは、ユーザが情報収集や比較検討を重ねた上で購入・契約を決める商材です。
例えば、家電、旅行、不動産、BtoB商材、デジタルサービス、ローカルサービスなどが挙げられます。
ユーザがChatGPTに相談しながら選択肢を整理する場面が想定されるため、会話の文脈に応じて広告を出すChatGPT広告の仕組みと親和性があると考えられます。
出稿・運用の注意点
ChatGPT広告は、従来の運用型広告とは仕様が異なる部分も存在します。
配信開始後のトラブルや計測のズレを防ぐため、事前に押さえておくべき注意点を確認しておきましょう。
- ランディングページのクローラー許可
広告の遷移先となるランディングページは、OpenAIのクローラー(OAI-AdsBot、OAI-SearchBot)がアクセスできる状態にしておく必要があります。
robots.txtやボット対策サービスでブロックされていないか事前に確認しましょう。 - UTMパラメータは固定値のみ
Google広告やMeta広告のような動的パラメータの自動差し込みには対応していないため、1つずつ固定の文字列で設計する前提が必要です。 - レポート反映に時間差がある
配信開始から24時間以内にインプレッションは発生し始めますが、管理画面のレポートに反映されるまで数時間のタイムラグが生じることがあります。
ChatGPT広告を効果的に活用するためのポイント
ChatGPT広告の出稿手順や注意点を理解したところで、ここからはさらに成果を高めるための活用ポイントを解説します。
単体で配信するだけでなく、他の施策や対策と組み合わせることが成功の鍵となります。
リスティング広告・SNS広告などほかの運用型広告と併用する
AIとの自然な会話に入り込むChatGPT広告は、ユーザの潜在的な悩みを掘り起こす「比較検討フェーズ」に大きな強みを持ちます。
ChatGPT広告単体で完結させるのではなく、既存のリスティング広告やSNS広告と組み合わせることで、比較検討フェーズと購買直前フェーズの両方でユーザとの接点を持つことができ、相乗効果が見込めます。
LLMO(AI検索対策)と併せて取り組む
ChatGPT広告は、キーワードやターゲティングで露出をコントロールすることができず、広告がいつ・誰に出るかはすべて「AIが会話の文脈と商品をどう判断するか」にかかっています。
そのため、AIに自社の情報を正しく認識させる「LLMO(AI検索最適化)」という土台作りをしておくことで、間接的に広告のマッチ度合いを向上させ、成果につながりやすくなります。
自社に合った代理店のサポートを受ける
ChatGPT広告のアカウントを開設して直接出稿するか、Criteo経由で試すか、といった判断も含め、専門知識を持つ代理店に相談することで、無駄なく検証を進められます。
運用実績や支援体制を確認しながら、自社に合ったパートナーを見極めましょう。
まとめ
ChatGPT広告は、「ターゲティング:キーワードではなくコンテキストヒント」、「配信面:検索結果ではなくAIの回答画面」という、これまでの運用型広告とは前提が異なる新しい広告メニューです。
直接出稿だけでなくCriteo経由という選択肢もあり、自社の運用体制やこれまでの媒体利用状況に応じて入り口を選べます。
ベータ段階の今は、探り探りのプロダクトではありますが、小さく検証しながら自社の商材との相性を見極め、ほかの運用型広告やLLMOと組み合わせて成果を積み上げていくことが重要です。
また、ChatGPT広告は手動の配信設定が限られる分、事前のフィード設定やデータ計測の精度によって成果が左右されます。
メディックスでは、タグ設定やフィード作成はもちろん、既存のリスティング・SNS広告と組み合わせた最適な出稿戦略をご提案します。
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