【セミナーレポート】 ゼロから始める!データ統合&ダッシュボード構築 ―後編:統合と可視化の実践ノウハウ―|ウェブ部

【セミナーレポート】 ゼロから始める!データ統合&ダッシュボード構築 ―後編:統合と可視化の実践ノウハウ―

Google Cloud/BI

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2025年10月15日、株式会社メディックス主催のセミナー「ゼロから始める!データ統合&ダッシュボード構築 ―後編:統合と可視化の実践ノウハウ―」が開催されました。

9月に開催された前編(準備と設計のポイント)に続き、今回の後編では「統合の仕方と実践ノウハウ」をテーマに、実際にGoogle BigQuery上でデータを統合し、Looker Studioで可視化するまでの具体的な手順を、実演形式で解説しました。

登壇者紹介

松尾一平
株式会社メディックス
マーケティングデザインユニット
データエンジニア
松尾 一平

Google Analyticsの設計・導入歴 10年以上。GA4のローデータをBigQueryで集計し、BIツールを活用したダッシュボード構築を得意としている。近年はデータエンジニアとしてAI活用にも注力している。

統合データの全体像:GA4をハブにする

本セミナーでは、一般的なデータ統合の例として、以下の3つのデータソースを統合するケースを解説します。

 

  1.  広告データ:日付、キャンペーン、コスト、インプレッションなど。
  2. GA4データ:セッション、コンバージョン、および「問い合わせID」。
  3. CRM(基幹)データ:「問い合わせID」、成約フラグ、売上金額。

 

上記のように、GA4のデータを「ハブ(中継点)」として機能させる設計を推奨しています。広告データとは「UTMパラメータ」で紐付け、CRMデータとは「問い合わせID」で紐付けることで、広告のインプレッションから最終的な売上までを横断した「統合データテーブル」を作成することが可能になります。

 

【実演1】BigQueryでのデータ統合と自動化

BigQueryの画面を用いた実演を行いました。

 

SQLによる結合とAI活用

各データソースをBigQueryに取り込んだ後、SQLのJOIN句を用いて結合します。SQLに不慣れな場合でも、BigQueryのテーブル構造(スキーマ)のスクリーンショットを生成AIに読み込ませ、「共通キーを使って結合するSQLを書いて」と指示することで、簡単にコードを作成することができます。

 

更新の自動化(スケジュールクエリ)

データの更新には「スケジュールクエリ」機能を利用します。GA4や広告データの特性として、「翌日以降に数値が変動・確定する場合がある(データアトリビューション等)」ため、単に当日のデータを追加するのではなく、例えば「直近4日分を一度削除して、最新の状態で再挿入する」といった形で、適切な更新設定を行うことが重要です。

 

コスト削減と高速化の「必須設定」

BigQueryとLooker Studioを連携させる際、コストとパフォーマンスを最適化するために重要な2つの機能を解説します。

  1. パーティション分割テーブル
    テーブルを作成する際、日付ごとにデータを区切って保存する「パーティション分割」設定を行うことを推奨しています。 通常テーブルでは、特定の日付をクエリする場合でも全データをスキャンしてしまい料金が発生しますが、パーティション分割を行うことで必要な日付のみをスキャンするため、クエリ料金を大幅に削減できるケースがあります。
  2.  BI Engine
    Looker Studioの描画が重い場合に有効なのが「BI Engine」です。これはデータをメモリ上にキャッシュするインメモリ分析機能で、SQLを変更することなく、秒単位未満の高速レスポンスを実現します。データ量が多い場合には、ユーザー体験を損なわないために検討すべきオプションです。

 

【実演2】Looker Studioでのダッシュボード構築

統合したデータをLooker Studioに接続し、可視化する工程を実演しました。

 

計算フィールドの活用

BigQuery側で全ての指標を計算しておくことも可能ですが、「CTR(クリック率)」や「CPA(獲得単価)」などの基本的な指標は、Looker Studio側の「計算フィールド」で作成することを推奨しています。 理由は、指標の追加や変更が必要になった際、SQLを書き直すよりもLooker Studio上で修正する方が柔軟性が高く、運用しやすいからです。

 

フィルタとインタラクティブ機能

統合データを用いることで、例えば「Google広告のみに絞り込む」「売上規模でフィルタリングする」といった操作が可能になります。実演では、スライダー式のフィルタを作成し、特定の売上金額以上のデータのみを表示させるなど、動的な分析環境の構築例をご紹介しました。

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