【初心者向け】Yahoo!広告とは？種類や特長、始め方を詳しく解説

「Yahoo!広告とはどのようなサービスなのか？」
「Google広告とは何が違うの？」

といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか？

Yahoo!広告は、日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」をはじめとする、様々な提携サイトに広告を配信できるサービスです。

導入を検討する際には、サービス内容や費用、ほかの広告配信サービスとの違いを理解することが重要です。

本記事では、Yahoo!広告の種類やメリットから、Google広告との違い、始め方まで解説しています。
Yahoo!広告の運用を検討している方は、ぜひ、参考にしてください。

Yahoo!広告とは？

Yahoo!広告はLINEヤフー株式会社が運営する広告配信サービスです。

Yahoo!ニュースやYahoo!知恵袋、LINEなどのLINEヤフー株式会社の運営サイトや、そのほか様々な提携サイト・メディアへ広告を配信できます。

LINEヤフー株式会社によると、日本の総人口である約1億2500万人のうち、Yahoo! JAPANの月間アクティブユーザ数は約8500万人と、国内でもかなりの利用率の高さを誇ります。

そのため、Yahoo!広告の配信は、国内で新規ユーザの獲得や認知の向上を目指したい場合に向いているでしょう。

引用：LINEヤフー for Business

Yahoo!広告の種類

Yahoo!広告では、主に検索広告とディスプレイ広告の2種類の広告を取り扱っています。

目的によって適している広告が異なるため、違いを理解しておくことが大切です。

それぞれの特長について紹介します。

検索広告（YSA）

検索広告は、ユーザがYahoo!JAPANで検索した際の検索結果にテキストで表示される広告で、タイトル（広告見出し）と短い文章（説明文）、URLで構成されています。

ユーザの検索語句に関連した広告が表示されるため、サービスを利用したり商品を購入したりする可能性の高い「顕在増」にアプローチできる点がメリットです。

通常の検索結果と見分けるため、検索広告には左上に「スポンサー」の文字が記載されています。

▼検索広告の掲載例

検索広告は、ユーザが検索しないと表示されないため、まだ自身のニーズに自覚的でない潜在的な層には届きにくい傾向があります。

商品やサービスを利用する可能性のある見込み客にも自社のことを認知してもらうためには、次に紹介するディスプレイ広告を始めとするほかの手段の利用、または併用が有効です。

検索連動型広告については、次の記事で詳しく解説しています。
関連記事：【2025年最新】検索連動型広告の仕組みや、リスティング広告との違いを徹底解説

ディスプレイ広告（YDA）

ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリ内の広告枠に表示される広告で、画像や動画、テキストで構成されています。

ユーザの興味・関心や、掲載先コンテンツの内容などに基づいて広告が表示されるため、悩みやニーズを持った上で自覚していないユーザなど、「潜在層」にアプローチできる点がメリットです。

また、画像や動画を用いることで、商品やサービスの魅力を視覚的にアピールできる、という特長があります。

Yahoo!広告の場合、Yahoo!関連サイトやLINE、クックパッドなど、国内でも利用者の多いサイトやアプリに広告を掲載できます。

▼ディスプレイ広告の例

▼テキスト入りディスプレイ広告の例

なお、ディスプレイ広告には「運用型」と「予約型」の2通りの配信方法があります。

運用型は、運用者が配信期間や入札価格、ターゲティングなどを設定し、オークションで配信枠を落札する配信方法です。細かな調整ができ、最大化したい項目を設定するとAIが自動で最適化する機能などもあり、一般的に利用されることが多いのは運用型です。

予約型は、いわゆる純広告と呼ばれる配信方法で、掲載枠や表示回数、掲載期間を事前に指定して枠を購入する配信方法です。

運用型広告よりも優先的に掲載され、表示回数を確保することができるため、テレビCMのように確実にリーチを伸ばしたい時に有効です。

Yahoo!のディスプレイ広告については、次の記事で詳しく解説しています。
関連記事：YDA（Yahoo! ディスプレイ広告）とは？GDNとの違いと導入ガイド

Yahoo!広告のメリット

続いて、Yahoo!広告を利用するメリットについて解説します。

主なメリットは次の3つです。

・ターゲティングの種類が豊富
・国内で利用者の多いメディアへ配信できる
・検索エンジンに広告を掲載できる

それぞれ説明します。

ターゲティングの種類が豊富

1つ目のメリットは、LINEヤフー株式会社が保有する多種多様なデータに基づくターゲティングができる点です。

Yahoo!広告では、Yahoo!JAPANで検索されているキーワードやユーザの行動、趣向のデータを使って独自のターゲティングが可能です。

利用可能なターゲティングは次の通りです。

【検索広告】

【ディスプレイ広告】

国内で利用者の多いメディアへ配信できる

2つ目のメリットは、Yahoo!広告ではYahoo!JAPANやLINEのほか、LINEヤフー株式会社の運営するサービスや、提携しているパートナーサイトなど、様々な場所に広告を配信できる点です。

LINEだけでも、国内の月間アクティブユーザ数は9,700万人に及び、SNSの中でも圧倒的な利用率の高さを誇ります。

ほかにも、LINEヤフー株式会社の運営するYahoo!ニュースやYahoo!天気、提携メディアのAmeba、朝日新聞DEGITAL、食べログなど様々な掲載面へ網羅的に配信することができます。

▼LINEヤフー株式会社の運営するサービスの一例

検索エンジンに広告を掲載できる

3つ目のメリットは、検索広告では国内で利用者の多い検索エンジンであるGoogle、Yahoo! JAPAN、Bingのうち、Yahoo! JAPANとBingに広告を配信できる点です。

検索ユーザは、具体的なニーズがあり検索を行っているため、コンバージョン率が高い傾向にあります。

利用者の多い検索エンジンが限られる中、Yahoo!広告では2つ（Yahoo! JAPAN、Bing）の検索エンジンに配信できることは大きなメリットと言えるでしょう。

Google広告とYahoo!広告の違い

Google広告とYahoo!広告では、広告を掲載するネットワークや提携サイトが異なるため、様々な違いがあります。Yahoo!広告とGoogle広告の違いについて、紹介します。

違い1：広告の掲載場所

Yahoo!広告とGoogle広告で、それぞれ提携サイトやサービスが異なるため、広告の配信先も異なります。

Google広告では、Google検索広告のほか、GDN（Googleディスプレイネットワーク）を介して、GmailやYoutube、教えてgooなど200万以上のサイトのディスプレイ面へ配信ができます。

GDNについて詳しくは次の記事で解説しています。
関連記事：【2025年】GDNとは？｜配信面やバナーサイズ、ターゲティングを解説！

違い2：ユーザ属性

Yahoo!JAPANとGoogleでは利用するユーザの属性が異なるため、広告を見るユーザの属性も異なります。

Yahoo!JAPANの利用ユーザは、60代以上が全体の25%を超え、30代以上のユーザが75%以上を占めています。

一方、LINEリサーチが13～79歳を対象に実施した調査によると、検索時にGoogleを使うユーザは、男女ともに若い世代のほうが多く利用している傾向があります。

▼男女別Googleの利用率

出典：スマホでの調べものは「Google」での検索が圧倒的。女性20～30代では「Instagram」が2位に（リサーチノート）

Yahoo!広告が向いている場合

それでは、Google広告と比較して、Yahoo!広告はどういった場合に向いているでしょうか。

まず、すでにGoogle広告を利用していて効果が出ている場合、Yahoo!広告での効果も期待できるでしょう。

Google広告と併用をすることでより広いユーザ層へアプローチできます。

また、ターゲットの年齢層が高めの場合も、Yahoo!広告が向いているでしょう。LINEリサーチのアンケート調査（2023年9月）によると、「スマホで何か調べたり、探したりするときに使うものは？」という質問に対し、男女共に10~30代はGoogle、Youtube、Xなどがメインとなっていますが、40～60代まではYahoo!JAPANがGoogleに次ぐ2位となっています。

年齢層によって検索に使用するツールが異なり、国内で高い年齢層をターゲットとする際は、Yahoo!広告が有効であることが分かります。

出典：LINEリサーチ （リサーチノート）

さらに、Yahoo!広告は国内のユーザが利用するアプリやメディアへの配信に強みを持つため、国内でブランディングを行いたい場合にもおすすめです。

Yahoo!広告の料金

Yahoo!広告の課金方式には「クリック課金」「動画再生課金」「ビューアブルインプレッション課金」の3種類があります。

それぞれ、次のような特長があります。

▼課金方式別料金一覧表

広告の予算は自由に設定でき、1日の上限額を決められるため、予算の使い過ぎを防ぐことができます。

広告予算は、Web集客における目標や費用対効果などをふまえて総合的に考えましょう。

予算の決め方については次の記事も参考にしてください。
参考記事：【リスティング広告の予算の決め方】数字でロジカルに解決！

Yahoo!広告の始め方

Yahoo!広告は基本的に4ステップで始められます。

各ステップのポイントを分かりやすく解説するので、始めたいと考えている方はチェックしてみてください。

1. Yahoo! JAPANIDを取得する
2. Yahoo!広告に申し込む
3. 広告の設定をする
4. 広告費用を入金し審査が通れば掲載される

1. Yahoo! JAPANIDを取得する

Yahoo!広告を始めるには、一般のアカウントであるYahoo! JapanIDと、Yahoo!広告を始めとする企業向けのサービスやツールを利用するためのYahoo！JapanビジネスIDの2つが必要です。

Yahoo! JAPANIDを持っていない場合、登録フォームから作成しましょう。

Yahoo!JAPAN IDを持っている場合、次のYahoo!広告に申し込むから進めてください。

2. Yahoo!広告に申し込む（Yahoo！JapanビジネスIDとの連携）

Yahoo！JapanIDを取得できたら、Yahoo!広告のお申し込みページへアクセスし、Yahoo! JAPAN IDか携帯電話番号かメールアドレスのいずれかでログインし、申し込み情報を入力します。申し込み完了時に、ログインしているYahoo！JapanIDと連携した状態で、Yahoo！JapanビジネスIDが発行されます。

その後、利用を開始するサービスの選択画面となります。検索広告かディスプレイ広告か、利用したいほうを選びましょう。
※利用開始後は、広告管理ツール上で検索広告とディスプレイ広告をいつでも切り替えられます。

広告の選択後は、銀行口座や決済手段を始めとする必要な情報を記入します。

3. 広告の設定をする

広告を選択したら、広告の詳細を決めていきます。Yahoo!広告のアカウント構成は次の画像のように、アカウント→キャンペーン→広告グループ→広告・キーワードという4つの階層構造になっています。

引用：検索広告のアカウント構造（階層構造）について（Yahoo!広告 ヘルプ）

ディスプレイ広告の場合は、キーワードを広告グループで設定できませんが、他の階層は検索広告と同様です。

それぞれ次の役割や、設定する内容を説明します。

・アカウント
Yahoo!広告の運用における最上位の管理単位で、サービス（検索広告、ディスプレイ広告）ごとに、登録情報（社名、担当者情報）や支払い方法などを設定します。

・キャンペーン
広告グループをまとめるための管理単位で、アカウントの下に登録します。キャンペーンでは、日予算や広告を配信する地域や曜日・時間帯、入札戦略などを設定します。

・広告グループ
広告とキーワードをまとめるための管理単位で、キャンペーンの下に登録します。広告グループごとに入札価格を設定します（入札価格は、キーワードごとに設定することも可能です）。また、除外キーワード（特定の語句で検索した際に広告を表示させないキーワード）も広告グループで設定できます。

ターゲティングの設定も広告グループで設定できるので、ディスプレイ広告で複数のターゲティングを活用して広告の訴求を分けたい場合などは広告グループを分けて管理します。

・広告
広告枠に掲載される広告を設定します。

検索広告の場合は、検索結果に表示される広告文を指し、広告グループの下に登録します。タイトル、説明文、最終リンク先URL、表示URLから構成されます。広告作成時の入力項目は、キャンペーンで選択した「キャンペーンタイプ」、および各広告の形式によって異なります。

ディスプレイ広告の場合は、記事内になどに表示される広告を指し、テキスト素材や画像素材を設定します。

・キーワード
広告を表示させる対象となるユーザの検索語句を、キーワードとして広告グループの下に登録します。ユーザが登録キーワード（または同じ意図の検索語句）で検索すると、同一広告グループ内に登録された広告が表示されます。

キーワードの登録時には、その検索語句に対して広告を表示させるかどうかを決める拡張範囲の分類であるマッチタイプを選択できます。マッチタイプには完全一致・フレーズ一致・部分一致の3種類があります。詳しくは次の関連記事を参考ください。

関連記事：フレーズ一致とは？部分一致との違いやメリット、類似パターンを解説

4. 広告費用を入金し審査が通れば掲載される

広告費用を入金すると、Yahoo!広告のガイドラインに沿った審査が行われます。審査期間の目安は3営業日です。

審査状況や「掲載不可」「掲載停止」となった理由は作成した広告一覧から確認できます。
審査が終わると、広告費用がアカウントに反映され、広告の掲載が開始されます。

Yahoo!広告で使える機能

Yahoo!広告を運用する上で、利用したい便利な機能を紹介します。

うまく活用することで、広告効果の向上が期待できます。

・自動入札
・広告表示アセット
・キャンペーンエディター

自動入札

様々な基準から自動で入札単価を調整できる機能で、検索広告、ディスプレイ広告それぞれで利用できます。

自動入札では、コンバージョン数の最大化やクリック数の最大化、広告費用対効果の目標値など、設定した広告を掲載する目的に沿ってAIが最適化して入札を行います。

広告表示アセット

広告表示アセットとは、Yahoo!広告の旧「広告表示オプション」のことで、検索広告を掲載する際、通常のテキストの広告に併せて追加の情報を記載できる機能です。

広告表示アセットには「クイックリンクアセット」「電話番号アセット」「テキスト補足アセット」「カテゴリ補足アセット」「画像アセット」の5種類があり、ユーザにより多くの情報を提供するため、基本的には全て設定することをおすすめします。

広告表示アセットを詳しく解説している記事もあるので参考ください。
関連記事：【全11種類】広告表示オプションとは？各オプションの特長や表示されない理由を徹底解説

キャンペーンエディター

キャンペーンエディターは、オフラインで広告の編集を効率よく行うことができるエディターアプリです。

管理画面では通常、広告ごとに異なる複数の編集を同時に実行できません。

しかし、エディターの活用によりcsv形式のテンプレートで一括修正が可能になります。そのため、まとめて多くの広告を入稿するときや、予算や入札など複数の変更を加える際に便利です。

詳しくは次の公式サイトを参考ください。

検索広告入稿支援ツール　キャンペーンエディター（Yahoo!広告）
ディスプレイ広告入稿支援ツール　キャンペーンエディター（Yahoo!広告）

Yahoo!広告の活用事例

LINEヤフー株式会社では、様々な活用事例が公開されています。

例えば、大手不動産・住宅情報サービスではYahoo!広告の検索広告で、画像アセットを採用して自社のイメージキャラクターを表示しました。

結果、クリック単価は12％減少し、クリック率は約3.5％アップしています。

また、とある生花加工会社では、Yahoo!広告の検索広告の運用を開始してから広告内容の改善を重ね、運用開始当初と比較して顧客獲得単価を3分の1程度にまで抑えることに成功しました。

このケースでは、広告費10万円に対し、Yahoo!広告の検索広告を通しての売り上げが毎月100万円ほどと、費用対効果は約1,000％前後です。

事例からも分かるように、Yahoo広告をうまく運用できれば、効率よくユーザへアプローチし、広告効果を上げることができます。

参照：自社キャラ「ホームズくん」で安心感を！検索広告の「画像アセット」活用でCTR約3.5％向上、CPC12%低下（LINEヤフー for Business）
参照：思い出の花束を残したい！ニーズを捉えた「検索広告」運用でROAS 1,000%を記録（LINEヤフー for Business）

まとめ

Yahoo!広告は、日本国内での運用型広告配信サービスとしては有数の規模を誇ります。

Google広告とは異なる配信面に配信でき、リーチできるユーザ層も異なるため、Google広告との併用や目的に合わせた使い分けで、より幅広いリーチが可能です。

導入から運用までの流れも簡単なので、初心者でも始めやすい運用型広告です。