2025年4月23日より全世界で利用可能となったThreads広告ですが、その効果やほかの配信面との違いなど気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Threads広告とは何か、その特長やほかの配信面との違い、出稿方法や運用の注意点について、2025年8月現在の情報に基づいて解説します。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
Threads広告とは
Threads広告とは、Meta社の運営するテキスト中心のSNSプラットフォーム「Threads(スレッズ)」に配信される広告のことです。
Threadsは、2023年7月のリリース後、わずか5日でユーザ登録数1億人を突破するなど、注目を集めているSNSです。
2025年第1四半期時点で月間アクティブユーザ数は3.5億人を超える規模に成長し、特に10代から20代の若年層ユーザが多く利用しています。
そのThreadsに、2025年4月23日から広告が配信できるようになりました。
広告主は、Meta広告マネージャーを通じて、従来のFacebookやInstagram広告と同様にThreads広告を管理・配信できます。
また、Threadsのアカウントを作成していなくても、Instagramアカウントを持っていてFacebookページと連携済みであれば広告を配信できます。
特長
Threadsは、テキストベースのコミュニケーションに特化したプラットフォームで、ユーザは最大500文字のテキストと、画像や動画を交えた投稿が可能です。
従来のX(旧Twitter)のような短文での情報交換や、オープンなコミュニケーションが活発に行われていて、リアルタイム性の高いSNSです。
また、ThreadsはInstagramアカウントとの連携が必須なため、Threadsのユーザは必然的にInstagramのユーザでもあります。
しかし、Threadsを毎日使うユーザのうち、「ThreadsとInstagramでフォローしているアカウントの大半が異なる」というユーザが全体の3分の1以上で、それぞれのアプリの使い分けは進んでいます。
InstagramとThreadsでは、利用するユーザのニーズや趣味・趣向が異なり、Threads広告を配信することで既存のInstagramフォロワーとのつながりを維持しながら、新しいタッチポイントを創出できる可能性があります。
参照:Threadsのメッセージ機能を日本でもローンチ、アプリ内のデザインも一部アップデート(Meta)
配信面
Threadsは、ホームフィード、ダイレクトメッセージ(2025年7月15日に日本でローンチ)、検索結果、アカウントのプロフィールなどのページがありますが、現在広告を配信できるのはホームフィード上のみです。
Threads広告は、ホームフィード上で通常の投稿と投稿の間に表示されるインフィード形式で配信されます。
広告には、「広告」や「Sponsored」といった明確な表示がされますが、プラットフォームのデザインに調和した形で表示されるため、ユーザに違和感を与えることなく商品やサービスの情報を訴求できます。
▼Threads広告の配信イメージ
引用:Threads広告について(Meta ビジネスヘルプセンター)
Instagram広告との違い
Threadsは、Instagramと同じくMeta広告の配信面の1つですが、Instagramが画像や動画などのビジュアル重視のSNSであるのに対し、Threadsはテキストベースのコミュニケーションが中心のSNSです。
そのため、視覚的なインパクトと同等に言葉による訴求力や親近感の創出も重要となります。
ユーザ層についても、Threadsは比較的若年層の利用率が高く、よりカジュアルで率直なコミュニケーションが行われています。
また、ThreadsはInstagramに比べて、フォローしていないユーザからのいいねやリプライが付きやすい仕様となっているため、拡散性が高く、UGC(ユーザ生成コンテンツ)を通じた自然な口コミ効果が期待できます。
広告フォーマットについては、現在Threadsでは画像と動画に対応していますが、カルーセル広告はまだ利用できません。
Threads広告のメリット
Threads広告には、Threadsのプラットフォームならではのメリットがあるため、いくつか紹介します。
サービスが提供されたばかりで先行優位性が高い
Threads広告の最大のメリットは、2025年4月23日に全世界で正式提供が開始されたばかりの新しい配信面であることです。
多くの企業がまだThreads広告の存在を知らない、または検討段階にあるため、競合他社に先駆けて配信することによる先行優位性が高いです。
特に費用面では、広告枠に対して広告在庫がまだ少なく、入札競争が穏やかでCPM(1000インプレッション当たりのコスト)が他のSNSや配信面より抑えられる可能性があります。
また、新しいプラットフォームでブランドの認知度を早期に確立することで、将来的な競合参入時にも優位性を維持できる可能性が高くなります。
Metaの高精度なターゲティングを利用できる
Threads広告は、Meta社が長年にわたって蓄積してきた膨大なユーザデータと高度なターゲティングをそのまま利用できます。
Metaの提供するFacebook、Instagram、Messenger、Audience Networkなどのサービスで収集された詳細なユーザ情報、行動履歴、興味関心データを基に、独自のアルゴリズムによる高精度なターゲティングが可能です。
また、Instagramアカウントを運用している企業では、Instagramのフォロワーを直接Threads広告のターゲットに設定できるため、すでに自社ブランドに関心を持っているユーザに効率的にアプローチできます。
通常、新興の広告プラットフォームではターゲティング精度の低さが課題となりますが、Threads広告ではMeta広告のアルゴリズムやターゲティングを活用できるため、安心して配信できます。
UGC創出による自然な拡散効果が期待できる
Instagramとの違いでも述べたように、Threadsはフォローしていないユーザからのコメントやリプライが付きやすく、広告に対してもユーザが積極的に反応し、議論や会話が生まれやすい環境になっています。
また、リスレッド(再投稿)機能で、ユーザが自発的に広告コンテンツを拡散してくれる可能性もあり、追加の広告費を投じることなく自然な口コミ効果が期待できます。
特に、話題性の高い商品やサービス、タイムリーなキャンペーン情報については、瞬時に拡散されることがあります。
Threads広告の配信方法
Threads広告の配信は、既存のMeta広告マネージャーを使用して行い、配信手順は次の3つのステップがあります。
①キャンペーン作成
まず、Meta広告マネージャーにアクセスし、画面左上の「+ 作成」ボタンをクリックしてキャンペーンの作成を開始します。
Threads広告を配信できる広告の目的は、「認知」「トラフィック」「売上」の3つに限定されているため、マーケティング目標に応じていずれかを選択します。
※注意※
キャンペーン目的が「売上」の場合、デフォルトでオンになっているAdvantage+ カタログ広告をオフにする
②広告セット作成
広告セットでは、配信予算、ターゲティング、配置の詳細設定を行います。
配置設定では通常、デフォルトで「Advantage+ 配置」が選択されていて、この場合Threadsフィードが自動的に配信先に含まれます。
より細かい制御を行いたい場合は「手動配置」で設定できますが、Threadsフィードのみの配信は現在サポートされておらず、必ずInstagramフィードとセットで選択する必要があります。
▼配置でInstagramを選択していない場合に出てくる警告
③広告設定
広告設定で、実際に表示されるクリエイティブの設定を行います。
まず「名義」セクションでThreadsプロフィールを選択する必要があります。既存のThreadsプロフィールがない場合は、「プロフィールを作成」からInstagramアカウントを連携して新規作成することも可能です。
広告フォーマットについては、現在「シングル画像または動画」のみの対応で、カルーセル広告などの複数画像フォーマットは利用できません。
クリエイティブ設定では、メインテキスト(最大500文字)、画像、見出し(最大250文字)、リンク先URLを設定します。
Threadsはテキスト中心のプラットフォームであるため、画像だけでなくメインテキストの内容が広告効果に大きく影響することを考慮して作成しましょう。
すべての設定が完了したら、内容を最終確認して「公開」をクリックし、広告配信を開始します。
Threads広告の入稿規定
Threads広告を制作する際には、プラットフォームの入稿規定を遵守する必要があります。
2025年8月現在、Threads広告で配信可能な広告フォーマットは画像・動画広告のみです。
入稿規定は次のとおりです。
画像広告 | 動画広告 | |
ファイルタイプ | JPG、またはPNG | MP4、MOV、GIF |
アスペクト比 | 1.91:1~9:16 ※1:1より縦長の画像は中央部分を基準に1:1にトリミングされる |
1.91:1~9:16 ※1:1より縦長の画像は中央部分を基準に1:1にトリミングされる |
解像度(推奨) | 1,440 x 1,440 px | 1,440 x 1,800 px |
メインテキスト(推奨) | 80~160文字 | 80~160文字 |
見出し | 40文字 | 40文字 |
CTA | 一部のCTAボタンはサポートされていない | CTAボタンは表示されない
※Instagramフィードなど他の広告配置向けに設定は必要 |
<補足>
解像度について、明確な上下限は設定されていないため、高解像度の画像でも対応可能です。
メインテキストは、1文字から500文字まで設定可能ですが、200文字を超える場合は「続きを読む」ボタンが表示され、一部が省略される可能性があります。
見出しテキストは、1文字から250文字まで対応していますが、40文字を超える場合も同様に省略される可能性があるため、重要な情報は40文字以内に収めることが推奨されます。
Threads広告を始める前に知っておきたい注意点
Threads広告を始めるにあたり、知っておいた方がよい点について2つ紹介します。
配信されない可能性がある
Threads広告はまだ提供開始されて間もなく、配信データが十分にありません。
そのため、配信面にThreadsを設定していても配信がInstagramに偏ってしまい、Threads面には配信されない、という可能性があります。
実際に配信されるか、どのくらい効果が出るかは配信してみないと分からない部分が大きいのが現状です。
Threads広告独自の強みもあり、配信効果にも期待したいところですが、傾向や有効なクリエイティブパターンなどが分かるのはもう少し先になりそうです。
Threadsアカウントでの配信と、Instagramアカウントでの配信の違い
Threads広告はThreadsのアカウントがなくても、Facebookページと連携済みのInstagramアカウントから配信が可能です。
Instagramアカウントで配信する場合、ユーザが広告のアカウント名をクリックした際の遷移先が異なります。
それぞれの遷移先は次のとおりです。
・Threadsアカウントで配信した場合
Threadsアカウントのプロフィール画面に遷移
・Instagramアカウントで配信した場合
Instagramアカウントのプロフィールアイコンが表示され、広告主がまだThreadsに参加していないことの通知が表示される(広告主がThreadsアカウントを作成した際、自動でフォローできるオプションが提供される)
※Instagramアカウントのプロフィールページに直接リダイレクトはされない
Instagramアカウントで配信する場合、ユーザが広告主に興味を持ってアカウント名をクリックしても、それ以上の情報を提供できず機会損失の可能性があります。
そのため、Threadsアカウントを作成してプロフィールや投稿も充実させておくことで、広告効果を高められるでしょう。
まとめ
Threads広告は、テキストコミュニケーションに特化したMetaのSNSである「Threads」へ配信できる広告です。
2025年4月にリリースされた新しい配信面ですが、Instagramと連携した高精度なターゲティングを利用でき、競合の少ない環境での費用対効果の高い広告配信が期待できます。
現時点では、画像・動画広告のみの対応で、効果も実際に配信してみないと分からないという不確定さはありますが、先行優位性が高いことも事実なので、配信面に加えて様子を見てみるのも1つでしょう。