YouTubeバンパー広告とは?事例や入稿規定・効果を出すためのポイント|ウェブ部

YouTubeバンパー広告とは?事例や入稿規定・効果を出すためのポイント

ディスプレイ広告
バンパー広告_アイキャッチ画像

YouTube広告のフォーマットの1つである「バンパー広告」は、ユーザに不快感を与えるリスクを避けながら、インパクトのある広告を配信できる広告タイプとして注目されています。

本記事では、バンパー広告のメリットや具体的な広告動画の例から、出し方や効果を出すためのポイントまで解説します。

Youtube広告やバンパー広告の配信を検討中の方はぜひ、最後までご覧ください。

Youtube広告全体については、次の記事で解説しています。
【2025年最新】Youtube広告とは?6種類の広告フォーマットや出し方を解説

バンパー広告とは

YouTubeのバンパー広告は、スキップ不可で配信される6秒以内の短い動画広告です。

スキップできない広告にはユーザに不快感を与えるリスクがともないますが、バンパー広告は6秒という短時間で配信されるため、ユーザの視聴体験を妨げにくいという特長があります。

ユーザに不快感を与えるリスクを避けながら、最後まで視聴してもらうことができるため、ブランドの認知度向上などの目的で多くの企業が活用しています。

TrueView広告との違い

バンパー広告と同様にスキップできない動画広告として「TrueViewインストリーム広告(現:スキップ不可のインストリーム広告)」の「ノンスキッパブル広告」が利用されていました。

バンパー広告とTrueView広告の違いは、動画の長さです。

TrueViewインストリーム広告のノンスキッパブル広告では「15秒」「30秒」といった長時間の動画を配信できましたが、バンパー広告では「最大6秒」までの短い動画しか配信できません。

広告動画の再生時間が短いことで、ユーザの動画体験を損なうリスクを減らせることが、バンパー広告のメリットです。

ただし戦略によっては15秒の長い動画を併用するなどして効果を高められることがあり、短い動画の方が優れているとは限りません。

現在では「TrueViewインストリーム広告」という名称は廃止されていますが、「スキップ不可のインストリーム広告」という名称で、最長15秒(コネクテッドTV面は30秒)の動画広告をスキップ不可で配信できます。

参考:スキップ不可のインストリーム広告 – Google 広告 ヘルプ

 

バンパー広告の例

バンパー広告としてどのような動画が配信されているのか、実際の例を確認しましょう。

Google公式の情報サイト「Think with Google」で公開されている事例集の「2018年版」から、実際のバンパー広告をピックアップして紹介します。

 

Google Japan

Google Payの特長を分かりやすく伝えるバンパー広告です。

「色々な電子マネーを1つにまとめられる」という特長が、6秒で簡潔に伝わるような構成になっています。

最後にGoogle Payのロゴが長めに表示され、サービス・ブランドの印象が残るような時間配分になっている点もポイントです。

GooglePay事例画像

動画再生はこちら 出典:Google Pay:電子マネーがまとまる 篇 – YouTube

リプトン

リプトンの水出し(コールドブリュー)アイスティーを紹介するバンパー広告です。

冒頭でティーバッグの利用シーンを映像と音楽だけで強調し、最後に「夏、動き出せ」のキャッチコピーと共に商品が印象付けられる構成になっています。

リプトン事例画像

動画再生はこちら 出典:コールドブリューで夏、動き出せ。 – YouTube

 

バンパー広告のメリット

ほかの広告と比較したバンパー広告のメリットとして、次の3つが挙げられます。

  • スキップできない
  • ユーザに不快感を与えにくい
  • ブランド認知度の向上につながる

それぞれ次に詳しく解説します。

最後まで視聴されやすい

バンパー広告は、スキップできないため最後まで視聴されやすいです。

「スキップ可能なインストリーム広告」は動画の時間制限がないため、多くの情報を盛り込むことが可能ですが、スキップ可能になる5秒目以降の内容は見てもらえる可能性が低くなります。

そのため、冒頭の5秒にできるだけ重要なメッセージを含めるように制作するのが一般的ですが、それでもスキップボタンの方にユーザの意識が集中してしまい、動画の内容を見てもらえないことがあります。

一方、バンパー広告はスキップボタンが表示されないため、注意がそらされることなく動画のメッセージを最後まで伝えることが可能です。

 

ユーザに不快感を与えにくい

バンパー広告は、動画の時間が6秒と短いため、ユーザに不快感を与えにくいです。

通常、スキップ不可の広告動画は、ユーザにとって「視聴を邪魔された」という不快感につながりかねないです。

バンパー広告は、6秒の短い動画で配信されるため、15秒の「スキップ不可のインストリーム広告」と比べると不快感を与えるリスクを軽減できます。

 

ブランド認知度の向上につながる

バンパー広告の短い動画は、ブランドの認知度向上に貢献しやすいことが分かっています。

Google公式の情報サイト「Think with Google」で公開されている調査データによると、世界全体のバンパー広告の約90%において、広告を見た人が内容やブランドをどの程度覚えているかを示す「広告想起率」が、平均40%上昇しました。

出典:アジア太平洋地域における YouTube バンパー広告のヒントとトレンド – Think with Google

簡潔でインパクトのある動画はユーザの印象に残りやすく、効率的に自社のブランド認知度を向上できます。

 

バンパー広告の注意点

バンパー広告などの動画広告に共通する注意点として、購入や申込といったコンバージョンに直接貢献しにくいことが挙げられます。

例えば、検索広告は、自身のニーズや課題を自覚している顕在層に配信できるため、コンバージョンに直結しやすい広告タイプです。

一方の動画広告は、自社の商品・サービスのことを知らない人など、すぐにはコンバージョンに至らない潜在層にも広く配信します。

特にバンパー広告は、YouTubeの動画コンテンツを見ているユーザに向けて配信するため、「購入・申込」といった行動を取ってもらうためには、YouTubeの利用を中断させる必要があり、検索広告に比べてコンバージョンに至るハードルは高いといえます。

ただし、バンパー広告によって自社の商品・ブランドの認知度を高めることで、顧客層の拡大が期待できるため、間接的にはコンバージョン増加に貢献していると言えます。

 

バンパー広告の入稿規定

クリエイティブを制作するにあたっては、入稿規定を確認しておく必要があります。

バンパー広告は「動画広告」の1種であり、「動画の長さが6秒まで」という点以外は、動画広告に共通の入稿規定が適用されます。

動画広告の入稿規定は次のとおりです。

 

推奨 対応範囲
解像度 フル HD
・1,920 × 1,080 px(横長)
・1,080 × 1,920 px(縦向き)
・1,080 × 1,080 px(正方形)
【HD(高画質)の最小サイズ】
・1,280 × 720 px(横向き)
・720 × 1,280 px(縦向き)
・480 × 480 px(正方形)
【SD (標準画質)の最小サイズ】
・640 × 480 px(横長)
・480 × 640 px(縦長)
・480 × 480 px(スクエア)
アスペクト比 ・横向き: 16:9
・縦向き: 9:16
・スクエア: 1:1
・横向き: 4:3(SD)
・縦向き: 2:3
フォーマット .MPG(MPEG-2 または MPEG-4) .WMV、.AVI、.MOV、.FLV、.MPEG-1、.MP4、.MPEGPS、3GPP、WebM、DNxHR、ProRes、CineForm、HEVC(h265)
ファイルサイズ 256 GB 以下
動画の長さ 6秒以下の任意の長さ

出典:動画広告の仕様について – Google 広告 ヘルプ

動画だけでなく、広告見出しなどのテキストの入稿も必要です。

テキストの入稿規定はキャンペーンの種類によって異なりますが、バンパー広告の配信で利用されることが多い「動画リーチ キャンペーン」のテキスト入稿規定は次のとおりです。

 

広告見出し 半角 90 文字(全角 45 文字)以内
説明文 半角 90 文字(全角 45 文字)以内
表示 URL 半角 255 文字(全角 127 文字)以内
行動を促すフレーズ(省略可) ・半角 10 文字(全角 5 文字)以内
・行動を促すフレーズに付属する半角 30 文字(全角 15 文字)以内の広告見出し(省略可)

出典:動画リーチ キャンペーン – Google 広告 ヘルプ

バンパー広告の設定方法

バンパー広告を設定する手順は次の4ステップです。

  1. 動画のアップロード
  2. キャンペーンの作成
  3. 広告グループの作成
  4. 広告の作成

各ステップの操作手順を次に詳しく解説します。

1.動画のアップロード

事前準備として、あらかじめ広告動画を制作し、YouTube上にアップロードしておく必要があります。

前述の「バンパー広告の入稿規定」を参考に6秒以内の動画を制作し、YouTube上にアップロードしましょう。

動画のアップロードの際は、まずYouTubeにログインし、右上の「+作成」をクリックすると表示される項目から、「動画をアップロード」を選択します。

Youtubeへ動画のアップロード次に「ファイルを選択」をクリックして、制作した動画ファイルを選択してアップロードしましょう。

2.キャンペーンの作成

次に、Google広告の管理画面から、バンパー広告を配信するためのキャンペーンを作成します。
サイドメニューの「キャンペーン」で、左上の「+」ボタンをクリックして、「+キャンペーンを作成」を選択します。

 

キャンペーンを作成ボタン

 

「キャンペーン目標を選択」の項目が表示されるので、「ブランド認知度と比較検討」を選択します。

キャンペーン目的の選択

「認知度と比較検討の目標の選択」で「リーチ」を選択し、「キャンペーンタイプ」で「動画」を選択します。

キャンペーンタイプの選択「キャンペーンのサブタイプの選択」で「動画のリーチ」の中のいずれかか、「広告シーケンス」を選択します。

キャンペーンのサブタイプの選択

次のキャンペーン設定の「広告フォーマット」で、バンパー広告を含むフォーマットを選択します。
そのほか、予算やターゲティングなどの項目を入力し、キャンペーン設定を完了させます。

 

3.広告グループの作成

次に「広告グループ」の設定で、ターゲティングやキーワードなど必要な項目を入力します。

・オーディエンス名:オーディエンスを保存する場合に、任意の文字列を入力する
・ユーザー属性:ターゲットとするユーザ-層の性別を絞る場合に選択する
・興味 / 関心と詳しいユーザー属性:その他のターゲティング設定を行う場合に入力する

 

4.広告の作成

次に「広告」の設定で、検索窓に、あらかじめYouTubeにアップロードした動画のURLを入力します。

動画広告の作成

詳しい設定項目が表示されるので、次の項目などを設定します。

・最終ページURL:広告のリンク先となるランディングページのURL
・表示URL:広告に表示するリンク先URLの文字列(実際のURLより短くしても可)
・長い広告見出し:商品・サービスを宣伝する広告見出し(半角90文字)
・説明文:商品・サービスの詳細(半角90文字)

最後に、入札単価を設定し、キャンペーンの作成が完了します。

 

バンパー広告の成功事例

バンパー広告を使って高い成果を上げた企業の事例を紹介します。

花王

花王株式会社では、バンパー広告とスキップ可能なインストリーム広告を組み合わせることで、高い成果を上げることに成功しています。

花王では従来、テレビCMを中心に考えており、デジタル広告でもテレビCMと同じ動画を流すといった「マスメディア中心」のプランニングを行っていました。

デジタルでの成果を向上させるため、テレビCMとデジタル広告を統合したプランニングへと軌道修正し、動画の企画段階からデジタル広告のフォーマットを踏まえたクリエイティブ制作を行いました。

例えば、バンパー広告は「購入意向の喚起」、スキップ可能なインストリーム広告は「商品理解」、など広告フォーマットごとに内容を区別して動画を制作。

結果、動画の視聴完了率は平均を約13%上回り、商品の売り上げや購入者数を大きく成長させることに成功しました。

出典:AI など最新動向を押さえた YouTube 広告活用事例 – Think with Google

 

 

バンパー広告で成果を出すためのポイント

バンパー広告を効果的に活用して成果を出すためには、次の3つのポイントを意識することが大切です。

  • 適切なターゲティングを行う
  • 伝えるメッセージを絞り込む
  • シリーズ化する
  • ほかのフォーマットと併用する

それぞれ次に詳しく解説します。

適切なターゲティングを行う

バンパー広告に限った話ではないですが、ターゲティングは広告の効果に直結する非常に重要な要素です。

ターゲティングが適切でないと、自社の商品・サービスとの関係性が薄い層にも広く配信されてしまい、費用対効果が悪くなる可能性があります。

また、ユーザが「自分と関係のない広告が表示された」と感じ、商品や企業のイメージ低下にもつながりかねません。

ターゲティングを適切に行うためには、まず「どのような層に見てほしいか」を十分に検討し、具体化しておくことが大切です。

ターゲットを具体化することで、ターゲティング設定の詳細を決めやすくなります。

 

伝えるメッセージを絞り込む

バンパー広告では動画の時間が最長6秒に制限されているため、動画の時間を有効活用するために、伝えるメッセージを絞り込むことが大切です。

6秒間にメッセージを詰め込み過ぎると、「結局、何がいいたいのか分からない」印象になり、インパクトの弱い動画になってしまいます。

バンパー広告は「1動画で1メッセージ」が基本原則です。

伝えたいメッセージがたくさんある場合には、メッセージごとに別々の広告動画を制作しましょう。

 

シリーズ化する

バンパー広告の動画を「シリーズ化」することで、記憶に残りやすくなります。

動画の内容を覚えてもらうには、「繰り返し見てもらうこと」が有効ですが、同じ動画を繰り返し配信していては飽きられてしまいます。

シリーズ化した別の動画なら、新しい動画として見てもらうことが可能です。

6秒間の動画でストーリー性を持たせることは難しいですが、「〇〇編」などシリーズ化させることで、連続したストーリー性のある内容を表現できます

 

ほかのフォーマットと併用する

バンパー広告は、ほかの動画広告フォーマットと併用することで、高い効果を上げることが可能です。

効果の出やすい組み合わせは、商品・サービスの分野や戦略によっても異なりますが、前述の花王の事例では、バンパー広告を「購入意向の喚起」、インストリーム広告を「商品理解」として役割を分けることで、高い成果につなげています。

広告の組み合わせを検討するにあたっては、YouTubeで利用できる広告フォーマットの種類を把握しておきましょう。

バンパー広告との併用におすすめの動画広告フォーマットとして、次のタイプがあります。

 

インストリーム広告 動画の再生前・再生中・再生後に配信される動画広告。スキップ可能なタイプと、スキップ不可のタイプがある。
インフィード動画広告 YouTubeのトップページ、検索結果ページ、関連動画の横などに、ほかの動画と一緒に一覧表示される広告。
YouTube ショート YouTube ショートに表示される広告。ショート動画の合間に表示される。

YouTubeの広告フォーマットについて知りたいかたは、次の記事も参考ください。
【2025年最新】Youtube広告とは?6種類の広告フォーマットや出し方を解説

 

まとめ

バンパー広告は、スキップ不可で最後まで再生されやすく、6秒以内の短時間で終了するため、ユーザに不快感を与えるリスクを抑えられる点がメリットです。

バンパー広告は自社運用も可能ですが、適切なターゲティングを行い、伝えるメッセージを絞り込むなどのコツを押さえることが重要です。

広告の運用や動画制作のノウハウに不足がある場合には、広告代理店など専門家の相談を受けることをおすすめします。

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