CASE導入事例

プレイド × メディックス|戦略的パートナーシップと人的支援で実現する、これからの顧客体験

データ解析 KARTE
株式会社プレイド

株式会社プレイド

株式会社プレイド

株式会社プレイドについて


株式会社プレイドは、「データによって人の価値を最大化する」をミッションに掲げ、CX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」と、そこに集まる1st Party Customer Dataを中心に、様々なプロダクトとプロフェッショナルサービスなどを展開しています。
2011年の創業以来、KARTEで培ったデータ活用ノウハウを基に成長を続け、2020年には株式上場も果たしました。2023年10月より、CX変革を加速するプロフェッショナルサービス「PLAID ALPHA」を開始。企業の複雑で広範な事業課題に対応するため、「プロダクト×ヒト」のハイブリッドモデルによる価値提供を強化しています。

お話を伺った方

株式会社プレイド
PLAID ALPHA DX Delivery Team
Managing Director
田原 裕樹

株式会社プレイド
PLAID ALPHA DX Delivery Team
Manager
千菅 一真

CX(顧客体験)の向上は、多くの企業にとって最優先で取り組むべき課題となっています。顧客1人ひとりに最適な体験を提供し、LTV(顧客生涯価値)を最大化するためには、プラットフォームの活用や専門的な支援の重要性が一段と高まっています。しかし実際には、ノウハウや人材の不足といった課題を抱えている企業も少なくありません。

そこでPLAID ALPHAは、メディックスをはじめとしたパートナー企業と協力し、コンサルティングからインテグレーション、グロースまでを一貫して支援する体制を整え、企業のCX向上を強力に後押ししています。今回は、同社の田原様と千菅様、そして弊社でKARTE運用チームを率いる近藤を交えたインタビューを通じて、メディックスとの協業体制や、変化の激しいマーケティング環境と顧客ニーズの変化、加えてAI活用を含むPLAID ALPHAのプロフェッショナルサービスの真価についてお話を伺いました。

お客様のニーズに対応した人的支援の拡大

― PLAID ALPHAの事業の成り立ちや、ミッションについて教えてください。

KARTEは2015年に正式リリースしました。当初はWebサイト上での体験向上を叶える「Web接客プラットフォーム」として展開していました。その後、KARTEのリアルタイム解析基盤による顧客の行動データをサイト内にとどまらず、あらゆる顧客接点でCXに還元することを目指し、現在の「CXプラットフォーム」という言葉でKARTEを表現しています。企業にとっての顧客接点がデジタルに移り、かつ顧客接点をつないで一貫性のあるCXを実現することの必要性が高まっています。それに併せてプレイドとしてもKARTEシリーズのプロダクト拡充を進めるなかで、KARTEがCXを向上させるプロダクトとして認識いただけるようになり、お客様の要望の難易度も上がってきています。そのため、私たちのような人的支援の必要性が増し、多様な支援を行う機会が増えています。(千菅氏)

PLAID ALPHAの組織人員体制は、当社において今急激に拡大しています。発足から2年の現在、すでに30名以上が在籍しています。当社の成長戦略でも「マルチプロダクト」「プロフェッショナルサービス」「エンタープライズ企業向け」という3つの掛け算で事業を進めていくことを謳っていますが、我々の組織がまさに、それを体現している状況です。
我々のミッションは、直接取引するお客様に対して、我々だけではカバーしきれない領域をメディックスさんのようなパートナーと協業することで提供価値を最大化し、お客様からの売上を拡大することです。(田原氏)

― 人的支援の拡大の背景には、お客様からの活用希望の増加があるのか、それとも貴社がKARTEの活用を促すために働きかけているのでしょうか。

どちらの要素もあります。CXという概念が世の中に広まる中で、企業はよりユーザーに合った体験を提供することが求められており、それを実現しようという機運が高まっています。一方で、企業が自力でこれを実現することは難しく、外部支援のニーズも増加しています。このような背景の中で、カスタマーサクセスやセールスの担当だけでは対応しきれない複雑な課題も多く、弊社からのプロフェッショナルサービスの提案に対し「利用したい」という声も多くいただいています。

特に以前からKARTEを利用いただいているお客様の中には、KARTE=Web接客という印象がまだ強く、「Web接客だけで考えれば他のツールに乗り換えたほうがコストが安く済む」と考える方もいます。そのような方々には、オンサイトにとどまらないあらゆる顧客接点での体験向上やそれを可能にする多角的なデータ活用の価値や必要性をお伝えし、その過程で今のKARTEシリーズのプロダクトのケイパビリティを正しく知っていただけることもあります。あるいは元々使いこなせていないなど、既存機能では物足りなく感じていたお客様が、プロフェッショナルサービスを通じてその認識を変え、KARTEのさらなる活用に繋げられるケースも増えてきています。(田原氏)

メディックスはケイパビリティと顧客マインドを兼ね備えている

― メディックスとの取り組みの経緯を教えてください。

メディックスさんとは、KARTEのオフィシャルパートナー制度(KARTE Partner Accelerate Program)ができる2020年より以前から、主にEC企業様を中心に協業をさせていただいています。

私たちはKARTEに関しては当然詳しいですし、お客様の目的に合わせたデリバリーが可能です。しかし、より良いCXを構築するには、KARTEの導入だけではなく、データ基盤やマーケティング基盤の構築が必要というお客様の要望が増えてきました。例えば、KARTEを含む多様なデータの統合や、サイト・アプリの解析といった包括的な支援が求められるケースです。こういったニーズやケースに対応できるパートナーが必要でした。
そういった背景の中で、メディックスさんはGoogle AnalyticsやBigQueryに強みを持ち、私たちの求めるスキルセットを満たしていると感じました。(田原氏)

― 特に、メディックスのどのような点を評価いただいているのでしょうか。

プロジェクトでは予想外のことがたくさん起き、お客様からの新たな要望に応える必要があります。そこで「できません」ではなく、良い関係を構築するためにお互いに歩み寄り、妥協点を探る姿勢が大切です。過去の取り組みでも、メディックスさんは同じ目線で協力できる会社だと感じています。
プロジェクトの成功には、ケイパビリティだけでなく、クライアント企業へのスタンスやマインドの親和性も不可欠です。メディックスさんはその両方を兼ね備えているので、今後も一緒に取り組んでいけると感じています。(田原氏)

やはり、単に技術的な能力を持っているだけでは不十分だと思っています。田原が言ったように、お客様の理想に対して、実現可能性を共に追求してくれるようなパートナーが非常にありがたいです。メディックスさんは、お客様の要望が100であるとして、しかし「技術的には100を実現できないとしても、こういう方法であれば少なくとも90までは実現できる」、と常に考えてくれます。本当に粘り強い。多くの会社では途中で手を引いてしまうような難しいプロジェクトでも、決して諦めずに取り組んでくれると感じます。(千菅氏)

プロジェクトでは、要望が固まっていない場合や、長期間の取り組みが必要なケースが少なくありません。そうした状況で、私たちの粘り強さが発揮されているため、そこを評価していただけるのは非常にありがたいです。(近藤)

プロジェクトを進めるにあたって技術力は前提として、「気力」が必要な時もあると思っています。そういった時にしっかりと寄り添っていただけるのは非常に心強いです。(田原氏)

― メディックスに今後さらに期待している点はありますか?

一点目は、プロジェクトマネジメント(PM)のさらなる強化です。昨今プロジェクトの難易度が非常に上がっているため、プロジェクトマネジメントスキルが強く求められています。基本的なことですが、全体を管理できる人間が常に現場を引っ張っていくことを徹底することで、大規模なプロジェクトも安定して推進させ、成功に導けると考えています。
二点目は、エンジニア的な領域のさらなる強化を期待しています。今以上に、クエリやコードの作成、KARTEとその周辺のデータ基盤との接続といった、高い専門性が求められる部分にもアプローチできると良いですね。お客様もこれらを自分で行うのは難しいため、特に導入時にニーズが高いと感じます。(田原氏)

その二点は我々としてもまさに強化していく部分です。PMに関しては、これまでプレイドさんと弊社の間で明確なポジションの棲み分けをしていませんでしたが、今後は我々がPMを配置しつつゴールを明確に持ち、推進することが重要だと考えています。そのためにも、組織としてこのポジションに十分なリソースを確保し、スキルを成長させていく必要があります。
KARTEに限らず、ウェブ解析やデータ活用の現場では、包括的な取り組みを通じて最大限のスキルアップが図れると感じています。経験を積み重ねることで、エンジニアとしてもPMとしても成長できると考えています。(近藤)

PLAID ALPHAが目指す自立運用型顧客サポート

ここ数年でCXという概念が浸透したことで、貴社の顧客層に変化はありましたか?

戦略の方向性として、エンタープライズ企業をターゲットとした「マルチプロダクト×プロフェッションサービス」のハイブリッドモデル掲げており、私たちPLAID ALPHAの顧客層もエンタープライズ企業が中心となっています。(田原氏)

これまでもエンタープライズ企業を中心に活動してきましたが、まだ十分にアプローチしきれていないとも感じているので、引き続きそういった企業がメインのお客様になると思っています。しかし一方で、もう少し企業規模の小さい企業からの問い合わせも増えてきており、直近は少し変化が見られます。これは、CXという考え方への裾野が広がり、中小規模であってもマーケティング感度の高い企業の関心が高まっている結果だと感じています。(千菅氏)

― 貴社にとって、お客様と長期契約を結ぶこともミッションの一つだと思いますが、その間で提供するサービスや価値が変化することはあるのでしょうか。

そうですね、お客様との関係は、年数の経過やお客様のフェーズとともに変化していくことが多いです。PLAID ALPHAのミッションの一つにプロフェッショナルサービス自体の成長がある以上、できる限りお客様と長くお付き合いさせていただくことが望ましいですが、長期にわたって同じフェーズを継続することは、双方にとって最善ではないとも考えています。
PLAID ALPHAの最終目標は、企業が自社でKARTEを効果的に活用し、独自の価値をユーザーに提供できる体制を整え、自立した運用が可能になることであり、それが真のパートナーシップだと考えています。(千菅氏)

「より良い顧客体験が企業の価値を高める」正攻法を貫くKARTEの価値

― あらためて、KARTEの提供価値はどんなものだと考えていますか。

業界や企業ごとに、PLAID ALPHAの取り組みがどう評価されるかは少しずつ異なっていると感じます。例えば私がメディックスさんとご一緒した企業では、KARTE活用の目的はECサイトの売上拡大、その手段として顧客体験の向上という位置づけでした。
他には、BigQueryでデータを集約し、KGIダッシュボードを構築したケースでは、データに基づいた意思決定を支援するブレインとして評価されました。
企業ごとに最終的なゴールや取り組むポイントはさまざまですが、基本的には「ユーザーを深く理解するための優れたツール」として高く評価いただいています。(千菅氏)

最近では、多くの企業が「良い体験をユーザーに提供し、その結果、サービスや企業のファンになってもらうことで、時間がかかるかもしれないが最終的にLTVを最大化する」という戦略を正攻法と考えています。その戦いに挑むパートナーとして、まずプレイドを選んでほしいと思います。
千菅が言ったように、KARTEの使い方も企業ごとに大きく異なり、それが難しくもあり、面白い点でもあります。
しかし、その多様なニーズに対応する力や選択肢を持ち、企業が求める答えに近づくサポートをすることが、私たちがパートナーと一緒に果たしたい役割です。KARTEを単なるプロダクトとしてではなく、「より良い顧客体験を提供し、企業のブランド価値を高める最適な手段」として活用したいと考える企業とともに歩みたい。その想いをプレイドに求め、信じて、一緒に覚悟を決めていただけると嬉しいです。(田原氏)

「人×AI」の協働がもたらす新たな顧客体験

― 今後、プロダクトや支援体制として強化していく部分はありますか。

先ほど内製化の話がありましたが、お客様が直面するデータに関する課題を解決するためには、社内の人材育成やKARTEを使いこなすだけでは不十分なこともあります。そこでプレイドは、AIを活用した運用を取り入れ、より効率的に支援できる体制を構築することを計画しています。これまで提供してきたKARTEのプロダクトにAIを組み込むことだけではなく、特にKARTEで解析するデータをAIを用いて可視化し、クライアントの戦略から実行までに活用する取り組みに注力したいと考えています。
弊社はこれまで、カスタマーデータのリアルタイム解析基盤とその柔軟性を強みとし、人がデータを分析して施策を立てるアプローチを採用してきました。しかし今後は、AIの導入によって、お客様のファーストパーティデータ(自社で保有する顧客情報やサイト・アプリの計測データなど)とKARTEで解析する顧客の行動データを統合することで、人力では不可能なボリュームの分析や、多次元のデータを活用したセグメンテーションができるようになります。
このようなAIによる分析やインサイトの提供が容易になれば、例えば、「実は売上の貢献者は、これまで見えていなかった特定のユーザー層です」といった新しい発見などにつながると考えています。(千菅氏)

― お客様にとってもPLAID ALPHAにとってもメリットのあるAI活用ということですね。

CX向上にはカスタマーデータの活用が非常に有効な手段となります。もちろん、企業にはWebサイトのデータや商品データなど、さまざまなデータが存在し、それらをどのように連携させて活用するかが重要なテーマです。特にエンタープライズ企業では、データ量や種類、提供するサービス、顧客との接点など、多くの要素によって、ユーザーにとっての最適な関係性の構築パターンは無限に存在します。その構築をすべて人力で都度対応することには限界があるため、AIを活用することがより良い解決策の一つになると考えています。
さらに、AIの学習データが企業独自のカスタマイズを受けることで、企業における競合差別化要因となり、ユーザーごとにユニークで最適な支援を提供できるようになると考えています。
特に期待したいのは、人間が考えもしなかったようなアウトプットをAIが提供することです。その結果、人とAIがインタラクションを通じて協力し合い、お互いの仕事を奪い合うのではなく、企業が自分たちらしい独自の体験を生み出せるようになっていくと思います。(田原氏)

まさに、AIを活用するためには、データの整理が不可欠です。AIが理解できる形にデータを整え、適切な切り口で分析を行うことが求められます。特にそうしたデータの可視化などは、メディックスさんの得意領域かと思いますし、将来的にはこうした一連の取り組みも含めて協業し、1つのお客様と2〜3年といった長期的な関係を築いていければと考えています。(千菅氏)

PLAID ALPHAは、プロダクトと人が作るハイブリッドモデルの未来像

― PLAID ALPHAとして、今後の展望をお聞かせください。

まずは企業のニーズにしっかり応えられるように、組織とチームの基盤と、個人のスキルを強化することが重要です。

PLAID ALPHAの事業組織には、私と千菅が所属する、KARTEを軸に企業のデジタル支援を行うDXデリバリーチームとは別に、より上流の顧客戦略やKPI設計、KARTE周辺のグロース支援を行うCXチームもあります。この2つのチームを軸に支援の範囲を拡大し、KARTE導入後の企業価値向上にも貢献したいと考えています。
KARTEのマルチプロダクト化と多機能化にともない、KARTEにとどまらない顧客経営課題やマーケティングのイシューを解決するために、我々の人的支援組織もその範囲を拡張していく必要があります。これはPLAID ALPHAとしての目指す方向であり、プレイドの戦略とも合致しています。
最終的には、多くの人に魅力を感じてもらい、一緒に働く仲間を増やしながら、提供価値の拡大を目指しています。(田原氏)

― プレイド全体としては、どのような未来を描いているのでしょうか。

私たちの戦略は、プロダクトと人というハイブリッドモデルで価値を提供していくことにあります。企業の課題をプロダクトだけで解決できることは少なくなってきていると感じています。例えば、業務の効率化のような課題は、すでに課題が明確で、不正確を正すことが答えです。しかし、我々が価値提供している領域では、解くべき課題が顕在化しているわけでもなく、新しい「正解」を見つけ出す必要があります。そしてそれには人による支援が不可欠です。そのためにPLAID ALPHAを立ち上げ、これを強化してきました。今後もこの組織を通して、企業への価値提供を強化し、一緒に成長していきたいと考えています。(田原氏)

 

 

顧客1人ひとりの体験価値を高め、それを事業成果へとつなげるためには、データとAIを駆使した高度な分析や、経験豊富な専門家による人的支援を組み合わせることが、今後ますます重要になってきます。プレイドとメディックスは、データ活用の現場で抱える課題に対して、より的確かつ包括的なソリューションを提供していきます。

CONTACT US
データ活用マーケティングについてお困りなら
お気軽にご相談ください。