CASE導入事例

ウェブサイトのユーザビリティを高める GA4のデータ分析と改善スキームの構築

データ解析 Googleアナリティクス
医療法人社団進興会 ミッドタウンクリニック名駅

医療法人社団進興会 ミッドタウンクリニック名駅

医療法人社団進興会 ミッドタウンクリニック名駅

目的

  • 適切なサイト分析によりユーザー行動を把握し、改善施策を実施すること
  • レポーティング負荷を軽減すること

課題

  • サイトの課題やユーザー行動が見えず、ユーザビリティ向上のための施策が実行しづらかった
  • GA4のレポーティティング、分析のリソースとノウハウが社内になかった

効果

  • サイト内のユーザー行動やボトルネックをレポートで可視化できるようになった
  • 解析アナリストの分析により、サイト改善のための新たな知見が得られた

クリニックの情報収集・選択や予約がオンラインで行われることが当たり前となった今、このデジタル化の波は医療業界において急速に進んでいます。医療サービスが最終的には対面で提供されるとしても、最初の接点であるウェブサイトにおける情報のわかりやすさや、ユーザーの導線設計はますます重要視されています。
ミッドタウンクリニック名駅は、有益なコラムを提供することでウェブサイトへのアクセス数を増やすことに成功しましたが、受診予約への転換率に課題を抱えていました。今回は、同クリニックがGA4の導入を契機に、より高い予約率を実現するためのデータ分析と改善スキームの構築に取り組む事例を紹介します。

お話を伺った方

医療法人社団進興会
ミッドタウンクリニック名駅

医療法人社団進興会
経営戦略部
事業推進Gp
課長補佐
渡邊 一輝

医療法人社団進興会
経営戦略部
事業推進Gp
中村 健人

グループの中でも独自のマーケティング戦略を実施

ミッドタウンクリニック名駅は、都内を中心に11ヵ所の健診拠点をもつ医療法人社団進興会に所属する健診施設です。
進興会では、法律で義務づけられている企業による従業員の健康診断や、個人向けの人間ドックを提供しているクリニックを展開しており、年間約47万人が利用しています。
今回お話しを伺った渡邊氏と中村氏の所属する経営戦略部は、進興会全体のマーケティング兼セールス支援業務を担うため、業務が多岐にわたっています。例えば、営業用の資料作成や受診者向けの販促資料、新しい検査メニューの告知やコースの販売促進企画などの業務に加え、ウェブサイトの運営も主要業務の1つです。ウェブサイトは、進興会、ミッドタウンクリニック名駅、せんだい総合健診クリニックの3つがあり、それぞれのウェブサイトに対して受診者増加のためのマーケティング施策を行っています。

渡邊氏 私は経営戦略部を兼務しながら、基本はミッドタウンクリニック名駅のマーケティング担当をしています。ミッドタウンクリニック名駅では、特に個人向けのオリジナル人間ドックの販売促進を強みにしています。企業の健康診断とは違い、自費健診となり、経営者や個人事業主の方などを中心に好評をいただいています。
自費健診の販促活動として、ウェブサイト上での広告や百貨店とのコラボレーション企画など、様々な方法でクリニックへの集客を積極的に行っています。
それらの企画や、健診メニューなどもミッドタウンクリニック名駅で独自に運営管理しております。ウェブサイトにかかわる内容は、進興会内でもロールモデルになることを期待されており、比較的自由に運営できる環境です。

https://www.midtown-meieki.jp/medical_checkup/health_screening_course/

同クリニックのウェブサイトでは、人間ドックのコースのWEB予約+TELタップを主要なコンバージョンと位置づけています。様々なニーズに合わせて多様化するサービスを、ユーザーにわかりやすく提示し、ウェブサイトの構成を最適化する取り組みを、同クリニックは独自に行ってきました。

コラムにより、アクセス増に成功。次は質の改善へ

同クリニックは、医療に関するコラムを軸に、グループ内で初めて本格的なコンテンツマーケティングを実施しました。コラムの充実によりアクセス数も大幅に増え、当初のアクセス数に対し、現在はおよそ3倍以上にまで増加しています。そのため、流入数の獲得においては、成功しているという実感がありました。
一方で、それまではアクセス数とWEB予約+TELタップ(以下、コンバージョン数)などの数値しか見ることができておらず、具体的なページ毎の分析や、ユーザーの行動パターンやエンゲージメントについてはほとんど追えていなかったといいます。

渡邊氏 流入数に対してコンバージョン数がともなっていないような、せっかく増大した流入数が活かし切れていないという感覚がありました。そのため、今後は、流入したユーザーをいかにコンバージョンにつなげるかという課題に直面していました。
その課題に取り組もうとしていたタイミングでGA4への切り替えの話があり、それならば、何となくUA設定を踏襲するのではなくて、その先の分析を見据えた設定をして、改善活動まで実行していきたいと考えていました。

同クリニックは、GA4への移行をきっかけに、データ分析に本格的に取り組むことを決めました。

「見るべき数値が、もうできている」マーケターにとって理想のレポート環境へ

<メディックスとの取り組み内容>
①GA4モニタリングダッシュボード(可視化)
②データ分析支援
③改善示唆に基づくウェブサイト改修
④ウェブサイト改修の効果検証
⑤分析と改善のPDCAサイクルの展開

上記の取り組みの第一歩である「GA4モニタリングダッシュボード」は、BigQueryに連携したGA4データを加工編集し、Looker Studioでダッシュボード化するメディックスのサービスです。これにより、GA4のレポーティング負荷を軽減し、ウェブサイトのアクセス状況を素早く確認できます。同クリニックではUAからGA4に移行したタイミングで、このソリューションを導入しました。

中村氏 以前は、Googleアナリティクスの利用は月に1回程度、前月締めのデータを確認する際などに利用していました。主には、どのキャンペーン施策からウェブサイトにユーザーが訪問したのか、そこからどのくらいコンバーション数があったのか、などのデータを確認していました。また、コラム記事の閲覧数なども定点的に見ていましたが、自分でEXCELなどで手入力してレポーティングするに留まっており、分析は十分ではありませんでした。
単純にGA4へツール移行するだけだと、今までの延長線上で、おそらくコラムの流入数やコンバージョン数程度しか見られないと考えました。このGA4への切り替えをいいタイミングととらえ、GA4モニタリングダッシュボードによりデータをすぐに見られる環境を作ったうえで、その先の全体を俯瞰したウェブサイトの分析や、改善を見据えた取り組みができるよう仕組化を決めました。

GA4モニタリングダッシュボードサービス

複数の業務をこなす中、1人で行う手作業のデータ集計は代表的な数値の確認に留まりがちであり、全体を俯瞰した分析は、なかなか難しいと考えられます。「マーケターとしては、見るべき数値やレポートはすでに完成していて、そこからの数値の判断や施策立案に集中したい」という同クリニックの理想とする状態にすべく、GA4モニタリグダッシュボードを活用しています。

 

解析アナリストによる「ユーザー行動の把握とボトルネックの発見」

同クリニックの課題は、コラムの成功により増加したアクセス数を、さらにコンバージョンへ転換させるためのユーザー行動が見えていない点でした。メディックスの解析アナリストによって、メインの商材である人間ドックのページ周りを重点的に、データはもちろん、ヒューリスティックの観点からも分析を行いました。

<メディックスによる分析内容>
・流入経路とその効果:ユーザーの訪問動機とコンバージョンへの寄与度を把握
・ウェブサイト訪問後の遷移パターン:ユーザーの行動を通じてニーズを把握
・コンバージョン経路:コンバージョン導線のボトルネックを特定

中村氏 メディックスの分析は非常に整理されており、分析の報告資料は、私が数値を見て判断がすぐできるよう意識されているという印象をうけました。実際に、自分では難しいような調査がきちんと行われていたので、施策の判断をする際の納得感を得ることができました。
例えば、人間ドックのTOPページやコース一覧ページは、ユーザーの導線である認識はありましたが、具体的な数値を踏まえて、どう修正していくかまで検討ができておりませんでした。しかし、メディックスの分析によってページの構成や情報のわかりやすさ、導線が整備されているか、など具体的な気づきを得ることができました。

初回の分析の結果を受けて、同クリニックではコンバージョン率を改善できる可能性に気づき、改善案に基づいてウェブサイト改修にすでに取り組まれています。
また、人間ドックや主要ページ周りをさらに深堀りした分析や、ウェブサイト改修後の効果検証の準備も進めており、一度のPDCAサイクルで終わらせない、定常的なサイト改善の取り組みを推し進めています。

プロダクトアウトではない姿勢と、顧客を理解しようとするヒアリングが印象的

同クリニックはメディックスをはじめ、数多くのデジタルマーケティングの支援会社と接触していたといいます。その中で、なぜメディックスを選んだのか、またお取引を始めた際の印象など聞きました。

渡邊氏 メディックスは、初回の提案の段階からヒアリングをとても重視してくれた点が印象的でした。ほかの企業から営業を受けることも多くありますが、プロダクトの売り込みの要素が強いと感じていました。私たちの少ないリソースではプロダクトを導入したとしても運用が難しいのですが、そういった事情を踏まえたプロダクトの提案は多くはなかったです。しかし、メディックスは我々の業務内容や、理想の環境、活用イメージについて、丁寧にヒアリングしてくれました。現在取り組んでいるウェブサイトの改修に関しても、考え抜いた提案をいただけたと感じています。我々のニーズに寄り添いつつも、しっかりやるべきことや、改善活動を見据えた提案をしてくれるので、取引を始めて本当に良かったなと感じています。

業界内での先進的なウェブマーケティングの実現に向けて

同クリニックの取り組みは、進興会の中でも非常に先進的な事例として注目されています。最後に、今後の展望やメディックスに期待することを聞きしました。

中村氏 進興会グループにおいては、ほかのクリニックのウェブサイトも今後リニューアルや改修が動いていく予定ですが、ミッドタウンクリニック名駅が先行してデータ分析によるウェブサイト改修を始めていますので、そのマーケティング改善活動の知見を活かせるようにしていきたいです。今回のノウハウは、グループ全体で共有しながら進めていきたいと思っています。

渡邊氏 健診の医療業界において、ウェブマーケティングに注力をしているところは、個人的にはまだまだ少ないと感じています。進興会グループ内でもミッドタウンクリニック名駅の取り組みは注目されています。そのため、先進的な取り組みを通じて成果をあげていきたいという思いがあります。メディックスに対しては、ダッシュボードの活用やデータの分析においても、現状我々が知りたいことを軸に取り組んでいただいていますが、たとえば他社の分析視点や事例なども踏まえて、弊社と異なる視点での新たな提案も期待しています。

今後、同クリニックとメディックスは、より高い予約率を実現するためのデータ分析と改善スキームの構築をさらに推し進めていく予定です。

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